未熟な老人
長く生きて 多くを経験したつもりでも
一人が通る道なんて 世界のほんの一部
自分の道を 誇りたければ誇れ でも
他人の道を けなす資格はない
いつの間にか 時だけを 重ねて
一つ覚えを 繰り返しているだけ
広い世界に 心を閉ざした
未熟な老人
自分なりの思いは 誰にでもある
誰もがそれを 語っていい でも
うなずく相手だけを 求めているのなら
鏡に向かって 話しかけるがいい
いつの間にか 志を忘れて
諂う者を 寄せ集めているだけ
自分を見つめることを恐れる
未熟な老人
ぶ厚い鎧や 輝く仮面で
いくら飾りたてても
歪んだ心は 隠しきれない
未熟な老人